2020年1月19日(日)説教要録
申命記8章1〜10節  「人は何によって生きるのか」

 昨年日本政府の資料で65歳の年金生活者の夫婦は老後の資金としておおよそ2000万円
の備えが必要とされるというようなことが伝えられ、皆の耳目を集めたことがありました。
人間にとってのパンの問題は旧新約聖書でもいろいろに論じられているところであります。
それらの中でもっとも有名な個所が今日の申命記8章3節の「人はパンだけで生きるので
なく、人は神の口から出る全ての言葉によって生きる」でありましょう。
 申命記はイスラエルの民がいよいよ約束のカナンの地に入る前に、モーセが決別説教と
して残したものと言われています。モーセとしてはイスラエルの民が40年の荒野の旅で神
から受けた恵みと憐れみを忘れず、神の民として生きる者であるようにとの願いを訴えた
ものです。イスラエルの民も荒野で食糧の問題、飲み水の問題で苦しみ悩まされました。
しかし、神はこの民を天からのマナやうずらで養われ(出エジプト記16章1〜36節)、岩
から水を湧き出させて養われました。神のこのような訓練と教育を受けて旅を続けてきた
のだから、イスラエルは「人が生きるのはパンだけによるのではなく、彼らを守り導かれ
た神の言葉によって生きる者」であることをいつまでも忘れずに。この神を畏れ、全幅の
信頼をもって神の言葉に聞き従う道からそれないようにというのであります。これこそ荒
野の旅をとおして神があなた方に知らされたことである、と。
 イエス・キリストも荒野でサタンによってパンの誘惑に合われた時、この申命記の言葉
によってその誘惑を退けられました。そういう意味ではこれは旧新約聖書を貫いてパンの
問題に対する答えになる言葉です。
 イエス・キリストは有名な「思い煩うな」という説教の中でも、空の鳥、野の花が神の
養いと装いを受けているように神に信頼して歩む人間にはさらに良くして下さることを信
じなさい。むしろ、あなた方は神の国と神の義を第一に求める生き方をしなさい。そうす
れば父なる神はあなた方の必要としている衣食住の必要なものを加えて与えられる。と。
 人は信仰に生きる時に本当に生かされることを教えられたのです。
 これを信じて生きることは、この世の現実の中では冒険に思えるでしょう。わたしも牧
師として召されて生きることになったとき、この間題に向き合いまして、神を信じる冒険
に生きることに生き方をかけて行こうと改めて決心しました。人に語って自分が生きない
のでは嘘になると考えたからです。50年近く生きてまいりまして、これは本当に間違いの
ないみ言葉だと告白します。人はどのような時代にもまことの神を信じる信仰によって生
きる時、本当に生きるのです。
                         村田 元 牧師
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